禁煙のお話

記念すべきブログ1回目の記事は、禁煙のお話についてです。

タバコを吸っている人に『あなたにとってタバコを吸うメリットは何ですか?』と訊くと、

答えは皆同じで『たばこを吸うとイライラ・ストレスがとれるんですよ。』と答えます。

『そのほかにメリットはありますか?』と訊くと、

『食後の一服は最高においしいんです。』と答えます。

『その他にはありませんか?』と訊いても、この二つ以外には出てきません。

①イライラが取れる②食後の一服は最高においしい

というこの二つのメリット、

これは本当に吸うことによって得られるメリットなのでしょうか。




・・・実は違うのです。

この二つはタバコに人間が騙されている最大の誤解なのです。

人には様々なストレスがあります。仕事のストレス、対人関係のストレス、

借金返済のストレス、交通渋滞に巻き込まれた時のストレス等々・・。

しかし、タバコでこれらのストレスは絶対に取れません。




ところが、タバコで100%取れるストレスがたった一つだけあるのです。

それは、『ニコチン切れのストレス』です。

タバコを吸えばストレスが取れるのではなく、タバコを吸っているがために、

体内へ蓄積されたニコチンが減ってきたときに『ニコチン切れのストレス』で

イライラさせられているのです。

そこで、タバコを吸ってニコチンを補給するとこのストレスがとれるのです。

実に巧妙なニコチンの罠にはめられているのです。




人間が幸せを感じるとき、脳はドパミンという幸福感を感じさせる神経伝達物質を

分泌します。おいしいものを食べた時、『おいしかった!』という幸福感を感じますが、

その時は脳からドパミンが分泌されているのです。

しかし、ニコチン中毒の人の脳にはニコチン受容体というものがつくられており、

この受容体にニコチンが結合しないと、ドパミンを出さない仕組みになってしまって

いるのです。すなわち、おいしいものを食べても脳はドパミンを出さず、

タバコを吸ってニコチンを脳のニコチン受容体に結合させたときに初めて

ドパミンを分泌するのです。ですから、おいしいステーキを食べてもその時は幸福感は

なく、食後にタバコを一服吸ったときに肺からニコチンが吸収されて脳へ運ばれ、

ニコチン受容体に結合した時、ドパミンが分泌されて『あぁ、今日のステーキは最高に

うまかった!』という幸福感がでてくるのです。





ではこのニコチンの呪縛から解き放たれるにはどうしたらいいのでしょうか?

簡単なことなのです。タバコを吸うのをやめればいいのです。

体からニコチンを全て追い出せばいいのです。




さて、それには一体どのくらいの期間が必要なのでしょう。

1カ月?1年?2年?驚くなかれ、たった3日でニコチンは体からぬけてしまうのです。

3日目の最後がニコチン切れのイライラのピークなのです。

この3日間を乗り越えるのが最大の関門なのです。
3日間で体からニコチンが抜けてしまえば、『吸いたい・吸いたい!』というイライラが

無くなってきて、4日目からは、吸いたいという気持ちが萎えてきます。

そして7日間禁煙できれば脳のニコチン受容体は減ってきてドパミンが自然に脳から分泌

されるようになり、食後にタバコを吸わなくても、おいしかったという幸福感が出てきます。

食事がおいしくなり、何でもたべれるようになり、食べる量も増えてきます。




また、胃腸の血管がニコチンで収縮されなくなるため生き生きと拡張し、

食べたものが全て吸収されるようになるので体重が増加します。

ですから、禁煙する場合はダイエットも一緒にしましょう。

仕事のストレスがでたときに、タバコを吸えばストレスが取れるのではないかと

思わないようにしましょう。絶対にタバコでは取れません。

もし、いったん吸って体のなかへニコチンを満たしてしまうと、

またニコチン切れのイライラでタバコを吸い続けさせられるはめになってしまいます。

2年間禁煙できれば、その時は完全に『タバコ大嫌い人間』になります。

タバコを吸っている方は是非禁煙に成功して下さい。



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